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その他報告 レポート
過去に行なわれたファイナルステージを考える会以外の活動の報告です。
「『余命6ヵ月から読む本』これから」
■開催日 2005年3月26日(土)
■場所  市民福祉プラザ
■講師  岩崎 瑞枝 氏(ファイナルステージを考える会世話人)


 世話人の岩崎瑞枝さんに講演していただきました。
“『余命6カ月から読む本』これから”ということで、平成16年度の定例会の内
容とそれに対する参加者のアンケート結果を中心にまとめました。
 まず参加人数と参加者の罹患の有無は、図1、2に示しています。参加者の内訳は、女性が多く、また病気を体験している方は参加者の半数でした。

 月別にテーマを設けて定例会を行い、以下がその結果です。紙面の都合上、平成16年四月・五月・六月・七月・平成17年一月のみ掲載しています。

 四月は「癌と付き合って20年」と題し、満安スミ氏に癌を体験してからの話をしていただきました。参加者に
「もし自分が末期のがんとわかったらどこでどうしますか」
のアンケートの結果は次のとおりでした。

 「どこで」には、自宅(29%)、ホスピス(18%)、自宅からホスピス(16%)、一般病院、家族といっしょならどこでも(8%)、その他でした。
 「どうしますか」には、治療方針を考える人(延命治療は受けないなど)、やりたいことを記述する人(旅行、音楽、酒、絵などとボランティアなど)、家族とのふれあいを表現する人(一緒に過ごす他)、日常生活を続行する人(これまで通りの生活、仕事を続けるなど)、精神的な作業を思った人(穏やかに過ごす、信仰など)、とそれぞれの思いが記入されていました。

 五月は「告知について」で、原口勝医師と井手麻利子看護師に患者さんとの関わ
りからの告知の実態を話していただきました。アンケートは「末期のがんを告知して欲しいか」でした。自分自身の場合は「告知して欲しい」(94%)でしたが、家族の場合は「告知して欲しい」(56%)でした。家族への告知が本人に比べ減少しているのは、ケースバイケース(6%)、その人の希望(8%)、して欲しくない(8%)など、対象となる人への思いが判断の基準になっているようでした。

 六月は「がんの痛みの上手なとり方」を清水大一郎医師に話していただきました。 アンケートは「モルヒネを知っていますか」でしたが、「知っている」が100%でした。「どういうものか」の問いには、「痛み止めや疼痛緩和の薬」などの列記が多くありましたが、「副作用が多い」と「副作用が少ない」という相反した記述が見られました。この点について清水医師は、実際の場面で副作用に苦しんでいる経験を見たり体験した人がそう思っているのだろうから、問題は医師のモルヒネに対する習熟度(上手に使用すれば副作用はあまり生じない)かも知れないとコメントされました。

 七月は、ファイナルステージを考える会10周年記念講演会として、「在宅ホスピス15年を振り返って」というテーマで、川越厚医師を東京からお招きしました。「どこで最後を迎えたいか」には自宅(72%)、緩和ケア病棟(20%)、一般病院(2%)、その他という結果でした。それぞれの場所を選んだ理由のうち、[自宅]は自分の思い通りになる、家族に囲まれてすごしたい、最後まで仕事がしたいなどが多く書かれていました。[緩和ケア病棟]は疼痛緩和ができる、家族の負担を少なくしたいなど、そして[一般病院]では家族に迷惑をかけたくないなどが記述されていました。

 四月の結果と関連を見ると、末期の過ごし方には大変共通した考え方が見受けられます。その願いをかなえる場として、川越医師の話から、参加者が在宅ですごす可能性への大きな期待が感じられました。それが「自宅で最後を迎えたい」(72%)になったのではないかと考えられます。年が明け一月は「心のなぐさめ(グリーフ)」を、三木浩司医師に話していただきました。「深い悲しみや不安、怒りを相談できる人がいるか」という問いに、いる(88%)、いない(12%)でした。「(相談するのは)どんな方か」では、友人(52%)、夫や妻(17%)、親(17%)、きょうだい(17%)その他でした。身内よりも気の合う友人や同じ体験者が良き相談相手なのかもしれません。

 「まだ、あちらに行けないのなら、人の役に立ちそうな情報本を発行したいわね。この情報をうまく利用した末期がんの読者から“アレッ、小山と同じで不安や苦痛が少なくなった”とか、”オヤオヤ、余命も延びている“という声が聞きたいから」。これは、当会の代表世話人だった小山ムツコ氏が、平成10年(1998)『余命6カ月から読む本』を出版した当時語っていた言葉です。
 このときから7年が経過し、今年度は『余命6カ月から読む本』の目次に従って定例会を行い、広く参加者の意識調査を行ってきました。結果から「見えてきたもの」は、患者サイドの告知や緩和ケア、自分らしい最後の日々を過ごすための意識の変化でした。当時小山氏が「ホスピス」というと『死にゆく場所』というイメージがあるから、まず名前から変えたいと言っていた言葉を改めて思い出します。

 「見えてきた」自分らしい生き方が、少しずつ、医療の中で活かされるような活動を、今後ファイナルステージを考える会で提案していければと考えます。
 そこで、平成17年度は、この「見えてきたもの」を具体的に活かす試みとして、『コミュニケーション』を取り上げます。いろいろな場面でのコミュニケーションを練習することで、自分らしさをうまく医療従事者や家族、友人に伝えるこつをつかもうという企画です。そして、その作業が、自分らしさをうまく自分自身が整理する手立てになると考えています。新年度もどうぞ一緒に学び、体感しましょう。
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