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その他報告 レポート
過去に行なわれたファイナルステージを考える会以外の活動の報告です。
「余命6ヵ月からの楽しみー旅」
■開催日 2004年11月20日(土)
■場所  清水クリニック
■プロデュース 岩崎 瑞枝 氏(ファイナルステージを考える会世話人)


 今回は3回シリーズ「余命六ヵ月からの楽しみー旅」でした。平成15年屋久島の旅の報告を岩崎瑞枝さんにプロデュースしていただきました。

 約40分の屋久島旅行のビデオを見、旅行参加者の感想を 述べてもらって、朝日新聞の田中記者提供による縄文杉を 中心としたスライドを見せていただきました。

 屋久島の旅のことに関して、岩崎瑞枝さんの西日本新聞に 掲載された内容を同封致します。 「生」「死」「魂・霊」などを 考えさせてくれました。ありがとうございました。

       命のことだま  より

 到着した途端、大降りの雨に見舞われた屋久島空港から、私たちの「癒しの旅」は始まりました。総勢6人。がん患者さんのKさん、がん体験者のOさんと医師・看護師、旅を企画したSさんと私です。まず益救神社へ向かい、屋久島の神々にごあいさつ。宿は美しい永田浜の傍ら。Kさんは「来てよかった」と、明るい声で家族に連絡していました。
 翌日、体力に合わせて地元のガイドさんが計画してくれたコースを巡りました。まずは志戸子ガジュマル公園。無数のガジュマルの根っこが、元の幹を覆って枯らし、新しい幹に成り代わっている様は凄みを感じます。皆で根っこから「気」を分けてもらうことができました。数ある屋久杉の巨木の中で、より近くまで車でいける紀元杉にたどり着く頃から、雨脚は激しさを増し、急いで島の東南部の千尋の滝へ。地鳴りだけが響く濃霧の中、巨大な瀑布が一瞬現れ、皆ただ息をのむのみ。さらに奥に進むと、大川の滝。水かさが増した姿は私たちの想像をはるかに超え、荘厳な激しさがありました。屋久島の神髄に触れたような瞬間でした。
 屋久島は悠久の時間を在るがままに生き続けていることを、滝が実感させてくれました。病気がある者も、ない者も、私たちの命はその流れの中を一緒に行くのだ、と教えてくれているようでした。
 Kさんがつぶやきます。「屋久島とつながった気がする。旅から戻ったら、自分が立つ故郷とつながって生きていきたい」。自分の命がある、この今、大いなる自然とともに流れの中に在る、という感覚をつかんでの言葉だったのでしょうか。
 ということで、今回の屋久島の旅は、私たちが想像していた「癒しの旅」ではありませんでした。むしろ深く生きていくこと、深く暮らしていくことを、再考させてくれる旅になりました。
                        (「西日本新聞」2003.11.4より)


 今年一番印象に残ったのは、十月にがんの患者さんらと訪れた屋久島への旅。三十八歳で屋久島に移り住み、自給自足の生活を送りながら創作を重ね、二年前、六十二歳で逝った詩人、山尾三省さんに「会う」のが目的でした。胃がんが見つかり、深く自分の命と向き合った晩年だったといいます。

 「(略)病気になって父さんは このごろ思うのだが 結局人生は この有難うということを心から言うためにこそ あったのだ 有難う ありがとう 子供たち」(作品「足の裏踏み」より)

 かって炭焼きたちが切り開いたという白川山の山懐。願いがかない、旅の最終日、三省さんの自宅に伺うことができました。蔵書が壁面を埋め尽くす部屋の奥に、静かに笑っている三省さんの写真がありました。そして、その傍らで、奥さんの春美さんが飾らない笑顔で待っていてくれました。
「三省さん、死んだらオリオンの三星に還るって言ってたんです。でも天上の星はあまりに遠すぎて、まだ仰ぐことができません。だから、彼が愛した庭のヤクシマサルスベリの木や花を眺めています。生前よく三省さんが『ボクのお友達』って言っていたスイッチョという虫が家に入ってくると、子どもたちと『お父さんが会いに来てるよ』ってささやいているんですよ」
切ない春美さんの言葉の中に、屋久島という自然の中で、生命を慈しみ、自然を畏敬しながらも自在に万物を行き来する三省さんの存在が感じられました。もしかして三省さんは、死の床にあったときでさえ、その魂は屋久島を自在に飛びまわれていたのではないでしょうか。

 「(略)生きるということは死ぬことであるとすれば、なにに生きるかを問うことは、なにに死ぬことを問うことでもある。(略)自分はアカマンマの花に生き、アカマンマの花に死んでよいという気持ちになっている」(作品「島の日々」より)

 自然と共にあること。自然と共にくつろぐこと。そのすべを身に付けた詩人の生き様に触れた屋久島の旅は、「生」「死」「魂」など、命の根源にかかわることを考えさせてくれました。                  (「西日本新聞」2003.12.16より)

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