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「がんの痛みはとれる 我慢しなくていいよがんの痛み」

■開催日 2006年4月22日
 場 所 市民福祉プラザ(ふくふくプラザ)
 講 師 世話人 清水大一郎(清水クリニック院長)

 4月からの定例会は「もっと知りたい緩和ケア 痛みはとれる」がテーマになっています。その第1回目には70名の出席があり、大盛況のうちに無事終了しました。たくさんのご来場、ありがとうございました。
 今回の定例会では、ペインクリニックの院長であり、当会世話人でもある清水大一郎の「痛み」についての講義と、当会の代表世話人であった小山ムツコとの、痛みをテーマとした対談を『余命6カ月から読む本』より紹介し、清水が実際に在宅で痛みのマネジメントをした患者さんのご家族との対談という3部構成で行われました。
 
 「痛み」についての講義では、「痛みの定義」「痛みの分類」「がん疼痛の特徴」「痛みのマネジメント」「がんに対する薬物療法」について具体的に話されました。
 「痛み」は、他人では決して正確に理解することができない、主観的なものです。患者に「痛い」と訴えられても「(この処置をしているのだから)そんな筈はない」と、思わず言ってしまう医療者も多いようです。しかし医療者は「患者さんが痛いと言ったら、痛いのだ」と考えることがまず必要であると言います。
 痛みにも種類はさまざまですが、今回は身体的な痛みについて、具体的な症例とそれに対する薬の処置方法などが詳しく話されました。とくに、末期がんの患者さんの痛みは慢性化することを知っておくことが重要であり、痛みが続くと抑うつ状態に陥り、そのことによって痛みも強まるという悪循環が形成されるということも知っておく必要があるということです。そうならないためにも、がんと診断された時点で、痛みの治療を開始することが大切ですが、がんの痛みの原因は1つではなく複数あるので、治療法を決めるために「正確な痛みの原因の診断」が必要となります。
 そのためには、患者側の「痛みの訴え」が非常に大切なこととなります。患者側も「この痛みはがんと関係がないのでは」「痛みがあると言ったら、その医者に治療が下手だと言っているようなものなのではないか」など色々考えず、何でも訴えて欲しいとのことでした。
 たとえば、朝痛むのか夜痛むのかで、その痛みの種類を医療者は判断できます。「ずーんとした重い痛み」「キリキリとした絞られるような痛み」というだけでも、それは十分判断材料になり、より効果的な処置が施せるようになるのです。

 そこで、『余命6カ月から読む本』での清水と小山との対談より、小山の「痛みの表現方法」を例として紹介されました。小山は「擬音語や比喩を使うと伝わりやすい」とし、「ひりひり、ズンズン、ズワーン」などをあげ、または「熱く鋭い物でいきなり刺されたような」「腫れと痺れが一緒になったような」などの表現を用いることによって、医療者に痛みを訴えていました。また、「医師は患者の言葉だけではなく、患者がどこをかばいながら歩いてきて、身体をねじらないようにジワジワ座って、という全体の様子を観察してほしい。カルテばかり読んでいないで、患者の全体の様子のなかに最初の情報がある」「患者が自分の痛みを上手に表現する訓練をすることと、医師が注意深く観察することの両方が大切」という小山の言葉を紹介しました。

 最後に、自宅でがんのご主人を看取ったWさんと、その主治医であった清水に「在宅での痛み」について話していただきました。
 Wさん自身も足が悪く、在宅は無理ではないかと周りは心配したようですが、Wさんはかつて家族を一般病棟で看取った経験から強く在宅を希望し、最期まで家で看取ることができました。
 「がんは痛むもの」と思っていたが、家でも十分に痛みをとることができることがわかってWさんは驚いたそうです。それまでご主人のつらそうな顔ばかりを見てきたが、痛みがとまると「こんなにいい顔ができるんだ」というような笑顔をみせてくれるようになったそうです。「モルヒネ」というと躊躇(ちゅうちょ)する人もいるかもしれないが、「昔と違って今はよい薬があり、それで痛みがとれれば残された時間を苦しみだけではなく、充実した時間を一緒に過ごすことができる」と話されました。お酒が大好きなご主人のベッドを囲んで、清水や看護師たちで家で宴会を開いたとき、ご主人は本当に嬉しそうで「こんなことは自宅だからできたことだなあと思った」そうです。今はそのときの嬉しそうな顔の写真が慰めになっているといいます。またWさんは「医師や看護師、ヘルパーさんたちなど、みんなの協力があったから、自宅で最期まで看取ることができた。誰かに相談すれば必ず道はみつかる。助けをどんどん借りたらいい」とも話されました。
 ご主人を亡くされて涙が出ない日はなかったが、、今は「涙は出るけれども、最近は涙の種類が変わってきている気がする。今はあたたかい涙だと思う」と、思いを話して下さいました。
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