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「こころから心へ届けるコミュニケーション まとめ」

■開催日 2006年3月24日
 場 所 市民福祉プラザ(ふくふくプラザ)
 講 師 世話人 岩崎瑞枝
     田中良治氏〈西日本新聞社編集企画委員)

 前半は年間テーマであった「こころから心へ届けるコミュニケーション」についての「まとめ」を当会世話人の岩崎瑞枝が行い、後半は西日本新聞社編集企画委員である田中良治氏と岩崎との対談が行われました。以下に要旨を紹介します。

 ○医療者のコミュニケーションが優れているか否かにより、患者・医療者関係だけではなく、患者の満足感やコンプライアンス(医師から処方された薬剤を患者が指示通りに服用すること〈服薬遵守〉)、治療効果も変わってくる。
 また、ファイナルステージの患者に精神的に影響する事柄として
 ○「これまでの生き方」「病気の種類と症状緩和」そして「ケアの質〈家族を含めた周囲の人々との暖かい交流)」があげられることからも、患者と医療者、またそれを支える人たちのコミュニケーションのあり方が非常に重要であることがわかる。

 岩崎は以上をふまえながら、6回にかけて行われた「コミュニケーションの実際」を、「施設緩和ケア」、「在宅緩和ケア」、「一般病棟・賢い患者になるために」、「ハウトケア」、「施設緩和ケアにおけるロールプレイ・絵手紙」、「施設緩和ケアにおけるロールプレイ・料理」と、今期の定例会ごとに振り返り、スライドとともにまとめました。
 その後岩崎は、「傾聴」「受容」「共感」を精神的援助の原理の基本としてあげ、その概要の紹介がなされました。「傾聞」では黒丸正四郎・大段智亮共著『患者の心理』から「言葉にない言葉(メッセージ)を聴く。目つき、顔つき、口つき、からだつきによって感じる」という一文から「傾聞」について語られました。

 それに続き「受容」については、鈴木秀子著『愛と癒しとのコミュニオン』から「自分が本心から受け入れられる領域を超えて受容することはあまり好ましい結果を招かない」「受容とは、相手の言うことを認めること、肯定することではなく、非受容の言葉を返さないことといえる」とし、そこから「非受容の型」についての説明がなされました。
 非受容の型については12項目があげられますが(命令、指示「これがんばってみたら」、講義・講釈・論理の展開「私の体験から言えば〜だよね」、解釈・分析・診断「本当は仲良くしたいのよね」、質問・尋問「誰がそんなこといったの」など)、「『非受容』の言葉が問題なのは、話し手を受け入れるのではなく、変えようとする意志を示してしまう点にある」という。また、「(話し手の)内容を分析し、前例やなじみのある解決策に手を伸ばそうとする」ことによって、「聞くことと判断する事のあいだを行ったり来たりしながら、相手と自分の意識の距離を広げてしまう」という指摘がなされ、これらは私たちが陥りがち、そして見落としがちなことではないかと感じられます。

 最後に「共感」として、小澤竹俊氏の言葉をひき「私が相手を共感・理解するのではなく、相手が私のことを共感者・理解者として認めることに意識を置く。つまり、共感・理解するのは、私ではなく苦しんでいる人が主語になる」などの意識の持ち方が提言されました。

 西日本新聞社企画委員会の田中良治編集委員と岩崎との対談では、田中氏が取材の際に気をつけていることに「まず信頼関係を築くこと」をあげられたことが、非常に印象的でした。「それには傾聴することが重要です。ときには自分をさらけだし、また相手が一番落ち着ける場所で取材を行えるようにしています」と田中氏は話されます。
 特に、深い傷を背負った方から話を聞くときには、信頼関係がなければ話してもらえません。記事にすることによって問題意識を広めるためにも、相手に本心から話してもらわなくてはならず、それには、やはり自分の誠意をわかってもらえるように努力をするしかない、というところは、私たちの活動と共通する所なのかもしれないと思いました。

 以上をもちまして、2005年度「こころから心へ届けるコミュニケーション」は終了いたしました。毎回たくさんの方にご参加いただきまして、本当にありがとうございました。
 2006年度の年間テーマは「もっと知りたい緩和ケア」です。また、2006年度より福岡市医師会に共催になっていただくことが決まりました。よりいっそう充実した、そして常に最新の情報を皆さまにお届けすることができるよう、当会一同最善を尽くして参りますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
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