ホーム | サイトマップ | プライバシーポリシー | リンク・著作権・免責事項 | お問い合せ
「コミュニケーションの実際6 
          在宅緩和におけるロールプレイ
          コミュニケーションの工夫 料理」
■開催日 2006年1月28日(土)
■場所  市民福祉プラザ(ふくふくプラザ)
■講師  世話人 井出麻利子(福岡赤十字訪問看護ステーション管理者)
     坂井久美子

 今回は、前半は「在宅緩和におけるロールプレイ」、後半はコミュニケーションの工夫として「料理」と、「最期を家で過ごす」をキーワードに学び深めました。
 在宅緩和ケアにおけるロールプレイの模擬場面では、すでに末期状態でこれ以上治療法がないとのことで在宅を勧められた一人暮らしの患者さん(当会でSP〈模擬患者〉部門を担当する山本和子が熱演)が看護師さん(小玉孝子さんが優しく対応)の2度目の訪問を待っているという設定。患者の「食事が思うようにとれないので毎日点滴をしてほしい」、「長男は働き盛りなので福岡に帰って来て欲しいとは言えないし、妹(神垣アイ子さん好演)に迷惑をかけるのはとても辛いので、できれば病院に入りたい」という、二つの気持ちをいかに医療者が受け止めてくれるのかが、このロールプレイのねらいでした。
 栄養補給のために点滴をしてほしいという患者さんに往診した医師は、点滴には栄養補給と水分補給の点滴があり、手首や腕からの点滴では栄養補給はできず、かえって胸水や腹水が溜まる原因になりやすいことを説明しました。つぎに来訪した看護師は、医師の説明を患者さんがどう理解したのかを確認し、それから患者さんや家族が抱えている不安や、やりたくても十分なケアができない家族のストレスを、看護師が受け止めたり、介護力が不足気味でも病院に戻らず在宅で過ごすことができる的確な情報を伝える場面が続きました。
 セッションが終了後、それぞれが役を離れて場面の振り返りをしました。そして、コーディネーターの井出麻利子さんが、今回の模擬場面が実際の訪問看護で一番多く出合う場面であること、その際患者さんの気持ちと家族の思いをいかにつなぐことが大切か、いかにそれぞれの不安を医療者が共有することが必要かをまとめました。

 後半のコミュニケーションの工夫としての「料理」では、実際に2004年に夫のSさんを看取った坂井久美子さんに、そのときの料理の工夫を話していただきました。
 重篤な病の夫の傍らで世話をしながら料理をすることは、時間的にも、気持ちの上でもなかなか難しく、そんな時おいしいものを少しだけ取り寄せることで「食べること」の工夫ができた体験談を聞かせていただきました。病状が進み、だんだん「食べること」が難しくなったとき、「主治医の、無理に食べなくていいんですよ、という言葉が一番ありがたい」と夫に言われた坂井さんは、それから「何か食べたい?」と尋ねることをやめたそうです。
 しかし、坂井さんはここでも工夫をしました。Sさんが好きだった料理を自分用の三度の食事に作ったのだそうです。台所から漂ってくる好物のにおいに、Sさんが「ちょっと食べてみたい」と言うこともあったとか。彼女の作戦勝ちだったようです。何も物が入らなくなってからは、二人で行った旅先のおいしいものの話をベッドサイドで語ったそうです。そして最期まで工夫をしながら「夫に寄り添う介護」を続けられました。
 食べることが難しくなったとき、本人も家族も、そして医療者も深く悩みます。「最期を家で過ごす」とき、特に直面する問題なのではないでしょうか。坂井さんのお話は、ひとつの提案になったようです。

おすすめ紹介
A5判 284P
(本体1800円+税)
A5判 104P
(本体952円+税)
Copyright (C) 2005 The meeting which considers a final stage. All Rights Reserved.