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「在宅での看取り・デイホスピス」

■開催日 2006年6月24日
 場 所 市民福祉プラザ(ふくふくプラザ)
 講 師 井手麻利子氏(福岡赤十字病院地域医療推進課看護師長)

 今月は、当会の世話人でもある井手が話をすることになりました。
 井手が昨年度まで勤務していた福岡赤十字訪問看護ステーションでの看取り経験から、ターミナルの患者さんは基本的に住み慣れた自宅で過ごし、必要になったら緩和ケア病棟への希望が多いとの印象をもっているとのことでした。そして、その患者さんたちの希望を実現するためには、在宅緩和ケアの充実、緊急時の入院を受け入れる病院、在宅と緩和ケア病棟・地域との連携が必要だと強調しました。
 また、看護で担える緩和ケア、つまり、看護師として在宅での看取りにおける役割を果たすためには、患者さんの話す言葉のなかに何があるのか、家族の話す言葉のなかに何を見つけるかが、大きなカギになると話されました。
 この点をふまえて看護師の役割を、関わる対象ごとにまとめられました。
 患者さんやその家族との関わり方。そして、医療・介護チームとのかかわりとして、患者さんの思いに近付くためにカンファレンスを開くことの必要性を強調されました。これにより、情報の共有が進み、患者さんの病状の進行状態、家族関係、患者さん・家族が今何を願っているのかなど、患者サイドをよりよく理解することができると話されました。そして、事例として二例があげられました。
 その一例の看取りに関わった人たち、患者さん(お母様)を看取ったIさん、その後結婚された夫のI氏、担当ナースTさん、Kさんが当日会場に集まってくださり、その当時のお話をしてくださいました。Iさんご夫妻のお話は、家で自分らしく生きたいというお母様をしっかり支えられた様子が伝わって、まさに在宅で看取ることの意味が体感できたひとときでした。
 最後に、デイホスピスについて報告をしていただきました。
 従来ホスピスケアは在宅と入院が中心でしたが、特に在宅で過ごす患者にとって、家族の負担の増大と、患者本人にとっても診断から治療と進むなかで、社会から取り残されるような疎外感、将来への不安などと共に、「なぜ自分だけが」などという孤独感を持つ人も多いようです。そのようななかで、デイホスピスは、退院した患者へのフォローアップとサポート作り、新しい人間関係を築くこと、また病気の進行にともない、ホスピスなどとの連絡等の準備体制への援助などを目的として、イギリスで始まりました。そして日本でも少しずつ広がっています。
 井手は、当会が2006年2月25日に研修旅行をおこなった、県立広島病院の写真でその内部の様子を紹介してゆきました。県立広島病院は数少ないデイホスピスのひとつなのです
 同じ病気や状況の他者と知り合うことで孤独感より解放されることは、大きな安心感へとつながります。またナースやボランティアなどのスタッフも、最初から患者として見るのではなく、一人の人間として出合うことで、お互い良い人間関係を築きやすく、その後のホスピスとのかかわりのなかで、より円滑なサービス、ケアへとつなげていくことができるデイホスピス。井手は、福岡での開設にむけての運動を広めたいと話を結びました。
 少しずつ広がりをみせる在宅での看取り。Iさんご夫妻のお話をうかがいながら、在宅での緩和ケアの充実を前提として、患者さんへの変わらない思いと少しの工夫があれば、家で最期を過ごしたいという患者さん家族の願いは、実現できるのではないかと思いました。その工夫のひとつが、デイホスピスなのでしょう。
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