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「緩和ケア最新情報」

■開催日 2006年5月20日
 場 所 市民福祉プラザ(ふくふくプラザ)
 講 師 佐藤英俊氏(佐賀大学医学部附属病院地域包括緩和ケア科助教授)

 今月も、100名近いご参加をいただき大盛況でした。
 テーマは「緩和ケア最新情報」。最新情報を語るのに、まさにふさわしい講師をまずはご紹介します。
 佐藤氏は昭和27年旭川生まれ。米国のクレイトン大学物理学科を卒業後、クレイトン大学医学部へ入学。その後佐賀医科大学へ転入学し、卒業後は麻酔科へ入局。平成5年からは、世界的に有名な米国のメイヨークリニック精神科ペイン・マネジメント・センターへ1年6ヵ月間留学します。平成9年にはホスピス開設準備のため、佐賀県立病院好生館麻酔科へ赴任。米国・英国へホスピス研修留学をした後、緩和ケア病棟医長として4年間勤務され、平成14に佐賀医科大学に戻られました。平成17年から佐賀大学医学部附属病院地域包括緩和ケア科の助教授として、緩和ケアチームのリーダーとしてもご活躍の先生です(「緩和ケア科」を大学として置いているのは、日本ではまだ3つしかないそうです)。

■緩和ケアの理念と実践内容
 緩和ケアとは、全人的で包括的なケアであり、終末期だけでなく、早期の患者に対しても、がん治療と平行に行うべきであると、佐藤氏はまず話されました。
 「緩和ケア」はすべてのがん患者に対して行うものとし、余命6ヵ月からのケアを「ホスピスケア」、余命数日のケアを「ターミナルケア」とされています。
 2000年以降は、在宅ホスピス・緩和ケアチームが普及し始め、終末期前後の家族のグリーフケアの重要性が叫ばれるようになってきてることを佐藤氏は示されました。また、緩和ケアにおいては、なによりも、患者とその家族のQOLを維持することが大切であるということを強調されていました。
 ここで、佐藤氏がとりくまれている緩和ケアの6つのプログラムを紹介します。

 1.ターミナルケア(看取り) 患者の安らかな旅立ち、またその家族のケア
 2.症状コントロール がんによる痛みは最後まで治療可能であるので、しっかりコント
           ロールする必要がある
 3.レスパイトケア 介護者である家族のケア。たとえば介護者の疲労回復の為、患者さ
          んに一時的に緩和ケア病棟に入院してもらう
 4.リハビリテーション リハビリすることで、明日への意欲・希望がもてる
 5.デイケア 閉鎖的な家庭から社会の風にあたることが大事

 6.在宅ケア ホスピス(緩和ケア病棟)と同じような治療とケアが受けられる
 
 また、当会でも頻繁に紹介される「WHO方式がん治療法」では90%の除痛が可能であるとされているのに対し、患者さんのアンケートでは60%以下しか除痛がなされていないことを示されました。そこで、がんの疼痛に対する薬物療法として、主につぎの2点が大事であることを話されました。
 1.NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の併用が起用であること。たとえばボルタレ
  ン、ロキソニンなど。作用機序(薬の効き方)の違うものを組み合わせることが必要
  である
 2.鎮痛補助薬を上手に使いこなすことが大事である

 「緩和ケア」はチーム医療が必要であり、さらに「情報の共有化」ができるチーム医療が重要だと佐藤氏は言います。緩和ケアチームは、診療科(内科、精神科、栄養科、薬剤部など)をこえて、痛みをもつ患者さんの治療にあたることが大きな特徴です。日本ではまだ、認定された緩和ケアチームは少ないそうです。

 佐藤氏はメイヨー・クリニック精神科ペイン・マネジメント・センターで認知行動療法を学ばれており、そこでは以下の3つが目標として掲げられていたそうです。

 1.痛みを人生の一部として受け入れ適応する。
 2.痛みを人生の伴侶とする。
 3.痛みにもかかわらず充実した人生を楽しむ、

 現在、緩和ケアに関わっておられる佐藤氏は、この「痛み(pain)」の部分を、「がん」に置きかえて考えることもできると話されました。

 このように「がん」と向き合えることを、患者として目標にしていきたいものです。

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