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その他報告 レポート
過去に行なわれたファイナルステージを考える会以外の活動の報告です。
乳癌の最新治療ー内分泌療法を中心として―

■開催日 2019年7月20日(土)
■場所  エルガーラオフィス6階『久留米大学福岡サテライトルーム』
■講師  九州がんセンター臨床研究センター長 消化管腫瘍科部長
       

♪2019年7月の拡大定例会のご報告をいたします。
 今年度のテーマは、“みんなに知ってほしい!がん医療トピックス ”です。今回は、九州がんセンター臨床研究センター長の江ア泰斗先生に“最新のがん薬物療法”―分子標的薬を中心に免疫チェックポイント阻害薬からゲノム医療について―を講演していただきました。以下、講演内容を簡単にまとめてみました。

1.癌、がん、腫瘍とは
がんは、遺伝子の損傷による細胞の不死化が原因となる「遺伝子の病気」です。がんのほとん どは、体細胞の遺伝子の偶然的な損傷によって発生した不死細胞が10年〜30年といった年月をかけて増殖したものです。
※がんにかかる人数が増えているのは?
増加の最も大きな原因は高齢化です。高齢になると遺伝子に傷が入りやすくなるからです。
2015年、男性の25%(4人に1人)女性の16%(6人に1人)ががんで死亡しています。
※がんの治る確率は、67%です。(但し、がんの種類で生存率が違います。)

2.がんの治療法は三つ
@手術療法 A放射線療法 B薬物療法 (C緩和療法(緩和ケア))

3.最新のがん薬物療法
@がんの薬物療法
@)(いわゆる)抗がん剤:正常細胞を含めた体の種々の細胞の増殖に影響をあたえ、殺細胞性抗がん薬と呼ばれる。
A)ホルモン剤:がんの増殖にホルモンが関係する一部のがんに対する治療薬。
B)分子標的薬:がんに特異的に表れている遺伝子やタンパク質(分子と呼ぶ)の異常に狙いを定めて開発された薬剤。

Aがん薬物療法の考え方
@)術後:再発防止、治療の可能性を高める。再発率は半分になる。
A)術前:切除不能ながんが切除可能にならないか、臓器を残せないか。
B)切除不能:再発・転移したがんの場合、延命、QOLの維持・向上、症状の緩和を目的とする。
※抗がん剤治療とはどこまでやるか
メリット:延命効果・腫瘍縮小
デメリット:副作用、コスト、入院(通院)etc
以上を考えて選択することが肝要です。
※殺細胞性の抗がん剤治療の副作用は、吐き気・嘔吐・倦怠感・口内炎・下痢・脱毛などの自覚症状と白血球減少や貧血・血小板減少といった骨髄抑制があります。

B分子標的薬による治療
分子標的薬はがん細胞に特異的に発現する遺伝子やタンパク質の異常を狙い撃ちする治療でピンポイントで抑えます。このため、がんのミサイル療法やターゲット療法とも呼ばれます。
@)副作用は、分子標的薬のターゲットとなる遺伝子やタンパク質は正常細胞にも少量ですがある程度発現しています。皮膚障害(発赤・痛み)・高血圧・タンパク尿・創傷治療遅延があります。
A)分子標的薬の効果予測とがんの個別化治療
分子標的薬はがんに特異的な遺伝子やタンパク質の異常を標的とするため治療効果が期待できる患者さんをあらかじめ「予測」できることがあります。この効果を予測する遺伝子やタンパク質のことを「バイオマーカー」と呼びます。がんの薬物療法においては、バイオマーカーにより患者さん個人に合った治療を選択し最適な治療を行うがんの「個別化治療」が進んでいます。

C免疫チェックポイント阻害薬
分子標的薬による新しい考えの免疫治療のことです。
生体にはもともと免疫を制御する機能が備わっています。免疫反応が強く出た状態をアレルギーといいますが、これを抑える働きのことです。自分の体の細胞に対するアレルギー反応が強すぎると、いわゆる自己免疫疾患(関節リウマチなどの膠原病や内分泌障害など)を起こします。生体はこの自己免疫反応を抑制する免疫制御機構(チェックポイント)を持っていて、がん細胞に対する免疫反応においても同様の免疫制御が働き、T細胞がうまくがん細胞を殺せない状態となっています。
この免疫制御機構(チェックポイント)を阻害する、いわば免疫のブレーキをはずすという
考えの分子標的薬が開発されました。(引用抜粋:『がんが再発・転移した時、あなたは?』江ア泰斗・岩崎瑞枝・清水大一郎・原口勝・五十嵐享平編著2017.12.25中央法規)
@)効果の特徴
  長期間の治療効果あり A増悪時の腫瘍縮小する
A)副作用
  皮疹、下痢、腸炎、間質性肺炎

Dがんゲノム医療
細胞の核には、遺伝子を乗せた染色体が入っています。染色体に含まれるすべての遺伝子と遺伝情報のことをゲノムと呼びます。発がんの原因となるそのゲノム異常を見きわめて、それぞれに効果のある治療薬を使うオーダーメードの医療が「ゲノム医療」です。
このゲノム医療は、がん医療の流れを変える画期的な一歩ですが、またまた課題もたくさんあります。


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