♪9月の定例会の報告をいたします。
「最新放射線治療」というテーマで、九州大学大学院医学研究院保健学部門医用量子線科学分野教授 平田秀紀さんにご講演していただきました。
 内容は、1.がん治療における放射線治療の位置づけ
 2.放射線はいかに癌細胞を殺すか
 3.治療に使う放射線の種類
 4.X線治療の実際、治療技術の発達
 5.放射線生物学と治療技術の融合
 6.粒子線治療についてでした。
 放射線治療の基本的な考えから、最新情報まで分かりやすくお話していただきました。ありがとうございました。

放射線治療の位置づけ
1.非観血的な癌の治療である
    =欠損治癒ではない 機能形態温存 2.物療である(化療ではない)
     物理学的治療:放射線
     化学的治療:抗ガン剤
     生物学的治療:分子標的薬剤
                 サイトカイン
3.放射線治療は
    「機能形態を温存できる局所物理療法」
直接作用と間接作用
(1)放射線が直接DNAの二重鎖切断
      重粒子線はこれ
(2)放射線がDNA近くの水などにラジカルを作りこれが間接的にDNAを障害
   現在のX線・ガンマー線治療はこれ
@ラジカル(スーパーオキシド)
  万病のもと:発がん・突然変異・老化・炎症
(脳心筋梗塞・糖尿病・リウマチ・パーキンソン)

光子か粒子か
(1)光子線
  電磁波:X線・γ線 ・・・・・・・日常診療
  波であり透過力大だが電離作用弱い
(2)粒子波
  電子
  陽子―軽粒子・・・・・・・・・・・指宿
  ヘリウム原子核=α線・・・・・・BNCT
  炭素原子核=重粒子線・・・・・鳥栖

光子線
1)X線
 加速器により作成・・・・・・・リニアック
 高エネルギー化 高線量率化
2)γ線
 自然放射線
 核壊変により発生・・・・半減期あり
 低エネルギー化 短半減期化・・・密封小線源
 体外漏洩線量低下・・・安全対策

粒子線
1)加速器発生の粒子線治療
 巨大機器 シンクロトロン・サイクロトロン
 有利な物理的線量分布   ブラッグピーク
 高い生物学的効果   RBE
 低い酸素効果      OER
2)ホウ素中性子捕獲療法 BNCT
 α線と反跳核による高TR(要原子炉)
 ほとんど狙い撃ち
 
X線治療技術の発達
MLCと3次元CT計画
 1)線量集中の技術・・・・・・定位照射
    3次元治療計画 カウチとガントリー
 2)位置精度の向上・・・MLCの動き
    固定法の進歩:シェル・ボディフレーム
     6軸補正 IGRT adaptive radiotherapy
    呼吸同期 動態追跡・・・サイバーナイフ
 3)線量精度の向上・・・・バーチャルウエッジ
            IMRT

放射線生物学と治療技術の融合
安全性の担保
 More effective and Less toxic
 1)定点観測から容積観測へ
 2)物理量(線量・容積・時間)とTD5/5
 3)生物量(FSU・並列臓器・直列臓器)とNTCP
 4)分割照射の意義

粒子線治療 近未来の放射線治療
1. More Effective & Less Toxic
2. 光子線から粒子線へ
3. 重粒子線と中性子捕獲療法
4. 治療機器の小型化とリーサルウェポン
5. 骨髄移植と全身照射
6. 術中照射

今なら助かる27年前の僕らのアイドル夏目雅子
生い先行かま欲しき人なめり
        (源氏物語)

重粒子線は癌細胞のDNAを一刀両断

どんな病気に重粒子線を使うの?
・従来の光子線では効かない癌(難治癌)
・重要な臓器に隣接するもの
・大きい腫瘍・手術不能例
【Q&A】
Q1.がんの多発性骨転移痛に放射線が有効と聞いていますが、際限なく治療できるのですか?
A1.放射線後遺症の心配があり、耐容線量が決まっています。一定限度の放射線治療しかできません。
Q2.平成25年度に鳥栖にできる予定の新施設での、重粒子線治療の費用は?
A2.保険がききません。自費で300万円ぐらいかかります。
Q3.前立腺がんの小線源治療について教えてください。
A3.外部から放射線を照射ことが一般的ですが、前立腺がんの場合、前立腺内に100本ぐらい小線源を埋め込んで放射線治療をします。これが小線源治療です。