♪7月の定例会の報告をいたします。
「がんと鍼灸」というテーマで山崎針療院院長の山崎浩一朗さんに講演していただきました。以下、講演内容を要約します。

  「がんと鍼灸」については、難題ではありますが、全国鍼灸学会(鍼灸師と医師が会員で鍼灸の科学的解明を目的とする学術学会)においても近年報告されるようになりました。特にこの2・3年はパネルディスカッション等でもよく検討されているところです。
 一般には、がんに対する早期発見・早期治療は周知のことであり、また西洋医学の最先端治療技術も日進月歩のようです。
 しかし、西洋医学のがんに対する治療は、ある一面では攻撃的で深刻な副作用を伴い、かつ免疫能力を減退させることへの問題点が指摘されるようにもなりました。
 それに対し、副作用がなく、QOLを高め、免疫能力を賦活する鍼灸治療は、がん患者の予防から緩和ケア・術後ケア・再発防止までと、あらゆる場において有用性があるとの期待もあり、その成果は徐々にではありますが実りつつあります。
 鍼灸は元々、生体の自然治癒力の賦活を目的としているので、鎮痛・QOLや副作用の改善あるいは再発予防、延命に有効であるということは、治療や予防にも有効である可能性があるとされています。
 以下、私の日常行っている東洋医学太極鍼灸の立場から、症例を交えながらお話しを進めます。症例は、30才、女性、胃癌の方でした。2/3胃切除後来診されました。全身凝りの為、全身の疼痛ありました。風邪を引き易く、冷えは強くて、冬は7〜8枚服を着ないと寒いとおっしゃっていました。当初、鍼灸に恐怖感がおありでしたが、治療後のリラックス感がでてくるようになり、現在まで35年間継続して来院されています。冷えも改善し、全身の凝りもありましたが、皮膚が柔らかくなってきていらっしゃいます。このように、患者さんを通して、いろいろなことを学ばせて頂きました。「がんと鍼灸」について、まとめを示します。

@ 陽の調和(バランス感覚)
 陰と陽のバランスを保つことが大事な事です。

 A四時に従う(四時一体の心)
 古典「黄帝内経・素間」第一章に書いてある。四季に沿ってライフスタイルを送る事が重要である。夏は夏らしく、冬は冬らしく過す。大自然に沿い、生活をしなさい。四季を喜びなさい。そうすると健康に良いのです。

 B気・動・食の調整と養生アドバイス
 気は心の持ち方、動はライフスタイルの考え方、食は食事の仕方そして運動の仕方が大事です。

 C心身の柔らかさが再生(ツボ = 皮膚 ・ 筋 ・ 筋膜 = 脳・心)
 ツボを刺激して皮膚・筋・筋膜を柔らかくすると脳・心まで和んできます。

 Dゆったり自然と一体となる(奥底の過緊張の緩和)
 ゆったり自然と一体となることで体の奥底からの過緊張が徐々に緩くなってきます。

 E心身一如と未病治(気血を根幹から隅々へ)
 元・九大心療内科教授の池見先生は、東洋医学の考え方の心身一如を西洋医学の中に取り入れました。心の動きと体の動きを同時にみていくことは大事なことです。
 背中には多数のストレスのツボがありますが膏肓(こうこう)が重要です。膏肓までひどくなる前に治療することが大事です。

 Fツボ特性とネットワーク(肝・脾・腎)
 ヒトには365のツボがある。ヒトには五臓(心・肺・肝・脾・腎)があります。
 その中でも肝・脾(今でいう膵)・腎が大事である。これらを刺激すると、より自然治癒力が賦活される。足・腰・腹を刺激すると肝・脾・腎の刺激となる。足・腰のリハビリは重要な所以です。歩くことは大事なことです。 色々な病気には足・腰・腹から癒していきます。そういう考えを「陰主陽従」といいます。これを進めたのが澤田流太極療法です。東洋医学の根源と思います。現代病は、眼・手・頭の障害が多いのですが、鍼灸では、足・腰・腹で治療します。 これが鍼灸のおもしろいことと思っています。

 以上鍼灸のことを判り易く説明していただきました。 又、がんにも効果があるとのお話も聞かせていただきました。最後は、実技までしていただき、誠に有難うございました。